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こんにちは、Sachikoです。
英語を「話せるスキル」で終わらせず、いかにしてキャリアへとつなげていくのか。
このブログでは、英語を軸にキャリアを切り拓いてきたSachikoが、第一線で活躍する“英語の達人”たちに、そのリアルな秘訣を伺っています。
今回のゲストは、Xフォロワー5.9万人を誇る英語コーチ、「きなこ」さんこと伊藤さなえさん。
きなこさんは、名古屋大学の後輩で私と同じく公務員経験をお持ちです。
様々な経験を経て、現在は起業を果たされ、学研より『ひとめでわかる!英語ビジュアルマップ』を上梓されるなど、英語学習の分野で注目を集める存在です。
しかし、現在に至るまでの道のりは、決して華やかな成功物語ではありませんでした。思うように進まない現実の中で、数々の選択と葛藤を重ねながら、「自分は何者で、何をやりたいのか」を問い続けてきました。
迷いや挫折を経験したからこそ見えてきた、“今の自分”へとたどり着くまでの道のりとは。
素直さと人とのご縁を何より大切にしながら、一歩一歩前へと進んできたきなこさん。
その軌跡と胸の内を、じっくりと伺いました。

学生時代から芽生えていた、言語学への興味
――英語学習はいつ頃から始められたのでしょうか?
近所に英会話スクールがあって、子どもの頃から通っていました。当時は英語の名前をつけられるのが少し恥ずかしくて、「Susie」と呼ばれることに違和感を覚えていましたね。「私はSusieじゃないのに」って(笑)。
それでも、自然と英語に触れられる環境が身近にあったのは大きかったと思います。
――名古屋大学では言語学を専攻されていますが、学生の頃から英語は得意だったのですか?
実は、英語でのコミュニケーション自体はあまり得意ではありませんでした。
ただ、中学・高校の頃に文法や構文を読み解くことが本当に面白くて。難しい文章を一つひとつ分析して理解していくプロセスに、気づけば夢中になっていました。その延長線上に、言語学という専攻があったんです。
その後、日本大学の通信制課程で教員免許を取得し、日本語教師の資格も取りました。日本語教師養成の過程で初めて第二言語習得理論を体系的に学んだのですが、これは今の英語指導にダイレクトに生きています。
言語学で学んだ知識も、たとえば時制(出来事の時間的な位置)とアスペクト(出来事の状態・進み方)の違いなど、学習者がつまずきやすいポイントを見極めるうえで大きな助けになっていますね。
公務員という「安定」から、一歩踏み出す決断
――大学卒業後は国家公務員になられたそうですね。
はい。大学に通いながら、予備校で公務員試験の勉強をしていました。当時はまだ国立大学職員が国家公務員だったんです。今は独立行政法人に変わっていますけど。名古屋大学に就職して、いわゆる安定した道を歩み始めました。
――そこから、その安定を手放す決断をされたのですよね。
そうなんです。最初の配属先で、英語を使う機会が多かったのですが、それがすごく楽しくて。コミュニケーションの面白さに初めて気づきました。そこから英会話教室にも通い始めて、「英語を突き詰めて仕事にできたら楽しそうだな」と思うようになったんです。
ただ、公務員だと3〜4年ごとに異動があるため、せっかく磨いた英語力を、次の配属先で生かせるかどうかは分からない。「もっと英語を深く学びたい」「これを仕事にしたい」という思いが、だんだん強くなり留学したいという気持ちにつながりました。
――カナダ留学を決意したとき、怖さはありませんでしたか?
正直、ものすごく怖かったです。名古屋大学を出て国家公務員になって、周囲からはうらやましがられるようなレールに乗っている状態から脱線するのは勇気がいりました。また、実家が裕福ではなかったので、現実的な不安も大きかったですね。
ただ、今だから言えるのは、「決断してよかった」ということです。もちろん、その後は苦労の連続で、途中で自分の決断を呪ったことも何度もありました(笑)。それでも、その経験があったからこそ、今の自分がある。そのすべてが、いまの原動力になっているんじゃないかなと思います。
カナダ留学で得たもの
――カナダ留学で得たものは何ですか?
一番大きかったのは、価値観が大きく変わったことですね。私はこれまで、何かしらの「型」や組織に属して生きるのが得意なタイプだったんです。でもカナダでは、どこにも所属していなくても、きちんと自分を評価してくれて、自然に仲良くなれる人たちがいると知りました。
学歴や職歴、年齢といった肩書きで判断されることがほとんどなくて、「その人自身」を見てくれる。だからこそ、何歳になってもチャレンジしていいんだ、という感覚を持てるようになりました。
帰国直後に待っていた、試練の時間
――帰国後の就職活動は順調でしたか?
それが、帰国したのがちょうどリーマン・ショックの時期だったんです。本当に最悪のタイミングでしたね。
TOEICは985点まで伸びていましたし、英語も話せるようになっていたので、「就職は何とかなるだろう」と思っていたのですが、そもそも求人がほとんどなくて。
公務員の経歴は民間ではあまり評価されないと分かっていたので、派遣から始めようと考えていました。でも、それもなかなかうまくいかず、ようやく決まった外資系企業のお仕事もしばらくして事業縮小でなくなってしまいました。さらにその頃、結婚を考えていた相手との別れも重なってしまって。失業と失恋が同時に来て、軽く引きこもっていました。
――そこから、どうやって立ち直られたのでしょうか?
正直、その時点では「自信があるのは公務員試験にパスするスキルだけ」でした。
だから名古屋市の学校事務職員試験を、年齢制限ギリギリで受けて、何とか滑り込みました。
ただ、いざ安定すると、また「やっぱり英語の仕事がしたい」という気持ちが湧いてきたんです。そのころには、結婚もして、すでに30代になっていました。
ここから何ができるのかを考えて、まずは教員免許を取ってみようと思いました。33〜34歳の頃、日本大学の通信教育課程に入学したんです。教員免許を取るまでには思ったより時間がかかってしまったのですが。
転機を呼び込んだ「ご縁」と「素直さ」
――英語を軸にキャリアを切り開いていこうと決心された、ターニングポイントはどこにありましたか?
小学校での仕事を通じて、偶然が重なり英語を使う機会が少しずつ増えてきた頃、転職サイトを見るようになったんです。そこで見つけたのが名古屋大学の国際労務担当の研究員のお仕事でした。学位は不要で、学士号があり、TOEIC900点以上の実力があれば応募できるという条件だったんです。
英語力だけでなく専門性も求められる仕事だったので、決して楽ではありませんでしたが、研究員として働く日々はとても充実していました。
研究員の期間中に出産も経験し、産休・育休中に教育実習をこなしてようやく教員免許を取得することができました。
研究員の任期が終わる予定だった時には、「特殊な業務を担当しているから、ぜひ引き続き残ってほしい」と声をかけていただいて。仕事へのやりがいも強く感じていました。
ただ、ここでまた私の悪い癖が出てしまって(笑)。
「任期がいつ終わるかわからないこの状況のままでいいのかな」と迷った末に研究員の仕事を離れ、名古屋市立大学の準公務員試験を受けて、再び“安定”の道を選んでしまったんです。
結局、その安定も、最終的には子育てとの両立が難しくなり、夫との関係がうまくいかなくなったことで終わりを迎えました。その後、専業主婦となり、「何か自分でできることはないか」と思い、ブログを書き始めたんです。
――難しい局面で周囲のアドバイスを上手に生かしていらっしゃいますよね。
私自身、かなり素直なタイプなんだと思います。誰かに「これをやったらうまくいくよ」と勧められて、そこにある程度納得できるロジックが見えたら、まずは試してみるようにしてきました。
例えば、あるブログの先生から「文章がうまいから、X(旧Twitter)をやったほうがいいよ。1万人くらいすぐいくと思う」と言われたことがあって。「いやいや、さすがに無理ですよ」と思いながらも、少しおだてられて始めてみたら、本当に半年でフォロワーが1万人を超えたんです。
そうしたアドバイスを信じて動いてみたこと、そして人とのご縁が重なったことで、結果として道が開けていったのだと思います。

英語コーチとしての独立
――英語コーチになったきっかけは何だったのでしょうか?
X(旧Twitter)のDMを通じて、英語コーチング企業からスカウトをいただいたのがきっかけでした。詳しく話を聞いてみると、子どもが寝たあとでも仕事ができて、通勤も不要。日中は確かに仕事が少ないのですが、その時間を使って添削作業ができる。「これはすごく育児と相性がいい働き方だな」と感じたんです。
当時は、専業主婦をしながらXをしていただけでした。育児の合間にSNSを続けつつ、同時に国家資格キャリアコンサルタントの勉強も始めていました。
――キャリアコンサルタントの資格を取ろうと思われた理由は?
英語コーチをやりたいと思うようになって気づいたのが、TOEIC学習者の多くが「転職」とセットで英語を必要としているということでした。
私は同時通訳ができるような圧倒的な英語力があるわけではないと分かっていたので、別の切り口を考えたんです。
英語そのものだけでなく、転職やキャリアの相談をきちんとヒアリングできる「キャリア×英語」という組み合わせなら、自分らしく価値を出せるのではないかと思いました。
育児をしながら、起業の準備をしながら、キャリアコンサルタントと英語コーチ、両方の資格取得を同時に進めていきました。
――どのような生徒さんが多いのでしょうか?
会社員の方が中心ですね。役員クラスの方もいらっしゃいますし、最近は製薬系やIT系の方が特に多い印象です。
英語学習って、どうしても時間がかかるじゃないですか。だから多くの方が後回しにしてしまう。でも本当は、必要になる前に準備しておくべきものなんです。
管理職に昇進したタイミングで英語も同時に始めるのは、本当に大変なので、できれば手前で取り組んでおいたほうがいい。でも、その決断ができる人は実は多くありません。
生徒さんの中には、企業に所属しながら博士論文を書いていて、「学会で発表したい」という明確な目標を持って学習を続けている方もいます。そうした方々の挑戦に伴走できるのは、とてもやりがいがありますね。
コーチングで大切にしていること
――英語コーチとして、どんなことを大切にされていますか?
生徒さんに、忙しい日常の中で2〜3時間の学習時間を確保してもらう。その背中を押すのが、私の仕事だと思っています。だからこそ、いちばん大切なのは信頼関係です。
お仕事で忙しいのは当たり前。その生活の中に英語学習を組み込むのは、本当に大変なことなんですよね。
だからこそ、時には少し耳の痛いこともお伝えできる関係でありたい。そのためには、絶対的な信頼が必要です。
生徒さんの人生に寄り添いながら伴走していると、まるで自分自身もその人生を一緒に生きているような感覚になるし、生徒さんが活躍されている姿を見ると、自分のことのようにうれしい。
私は、頑張っている人を応援するのが心から好きなんだと思います。

本の出版で得た自信
――学研から書籍を出版されていますが、そのきっかけを教えてください。
実はこれまでにも、X(旧Twitter)経由で何度か出版のお声がけをいただいていたんです。ただ、話が進んでも最終的に形にならない、ということが続いていました。
最初に関わらせていただいたのは、他の方の書籍企画でした。私はその例文作成に協力する立場でしたね。その後、その方の別の書籍の宣伝を手伝ったりするうちに学研さんとのご縁に発展していきました。
正直に言うと、自分の本を出すことには不安もありました。出版が必ずしもビジネスに直結するわけではない、というのも分かっていましたし。
でも今振り返ると、出版に挑戦して本当によかったと思っています。プロの世界で、編集者の方をはじめとする一流の方々と一緒に仕事ができたことは、とても貴重な経験でした。た。直接、講演会をさせて頂く機会も何度か恵まれまして、その際に「とてもコンパクトに知りたいことがまとまっていて辞書のように使っていますよ。」と嬉しいお言葉を頂いたこともありました。
本のコンセプトは、「イメージを頭の中に描けるようにして、英語の学び直しの最初の一歩を踏み出す」ということ。この本を片手にまずは「つまづきやすいところを押さえて」概要のイメージを掴んでもらって、文法書やドリルを使って学びを深めてもらう、そんな地図の役割ができればという想いを込めて「ひとめでわかる!英語ビジュアルマップ」というタイトルを付けました。
最初の一歩のハードルが下がる役割を担えればとてもうれしいなと思います。
また、「学研から本を出した人」という一つのステータスをいただけたことで、自分の中でいろいろな「許可」を出せるようになった気がします。
私は、あまり自分に自信があるタイプではないのですがこの経験を通じて、「もっといろんな人に話しかけていいんじゃないか」「もう少し前に出てもいいんじゃないか」と思えるようになりました。
これからの展望
――今後、どのようなことに挑戦してみたいと考えていますか?
会社を大きくしたいとか、事業を拡大したいといったことは、あまり考えていないんです。
それよりも、今関わっている生徒さん一人ひとりと丁寧に向き合いながら、自分らしいペースで続けていきたい。その気持ちがいちばん強いですね。
一方で、少しずつ自分の時間も取り戻して、昔からやりたかったことにも手を伸ばしていきたいと思っています。以前は、海外の大学院で学ぶことに憧れていた時期もありました。今は通信制での学びも視野に入れながら、無理のない形で情報を集めているところです。
そして今年は、娘と一緒にカナダを訪れたいと思っています。
私が一番のびのびと過ごし、勉強にも全力で向き合えたあの場所で、今度は子どもと一緒に夕日を眺めるような時間を過ごしてみたい。将来的には親子留学にも興味がありますが、まずは「大好きだった場所」を共有することから始めたいですね。
インタビューを終えて
最終的に、公務員という安定した道から一歩踏み出し、自分の「得意」や「好きな語学」を信じて、起業という道を切り開いてきたきなこさん。
私自身も、公務員の世界を離れ、英語を軸にさまざまな仕事に関わってきた経験があるからこそ、きなこさんの言葉や選択の一つひとつに深く共感する場面がありました。
「自分に自信がない」と率直に語りながらも、立ち止まり、迷い、それでも挑戦を続けてきたきなこさん。
「何歳からでも英語でチャレンジし、人生は切り開ける」と語ります。
英語を通じて、人生を少しずつ変えていきたい。
そんな想いを持っている方は、ぜひ一度、きなこさんのウェブサイトやSNSをのぞいてみてください。
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